スポーツの魅力と戦術との密な関係

先日,女子バレーのワールドグランプリが閉幕しましたが,日本はなんと準優勝。
本大会の日本チーム,ハイブリッド6なる新戦術を採用していたとのこと。

新戦術。
わくわくしますね。
これは調べないわけにはいきません。

ざっくりまとめると,固定したセンター(とはもう言わないのか)を置かず,
一人の選手が臨機応変に複数のポジションをこなすようにし,そしてアタッカーの枚数を増やす,
ということのようです。

確かに,トスがあがると共に,セッターとリベロ以外の4人が一斉にスパイクに入る姿は,なかなか壮観。
そりゃ前衛のブロッカーの数では対処できないよな,というのが最初の感想です。

で,見れば見るほど,興味が深まりました。
バレーボールはポジションがそれほど多い競技ではありませんが,
ハイブリッド6では,複数のポジションをこなせる選手が重視されることになりそう。
専門職のスポーツに近いバレーボールでは画期的なのではないか,と思うのです。

そんなわけで,決勝ではブラジルに完敗した日本ですが,
この先の期待値がぐっと上がったワールドグランプリだったのでした。
満足。

第1部完。
(週刊少年ジャンプ風)

ここからディープな世界に入っていきます。
結論から言うと,サッカー日本代表の新監督に就任したアギーレ監督が何をするか楽しみだ,という話です。
複数のポジションをこなせる選手をうまく使って結果を出す監督。
真っ先に思いつくのは,こないだまでサッカーロシア代表やトルコ代表の監督をしていたフース・ヒディンク。
ヒディンクといえば,選手のポリバレント性重視と,戦術的交替(※1)。
戦術に則って選手交替が行われ,選手が1人替わるだけで,
ピッチ上にまったく別のチームが現れたかのように,チームが変化する。
そのためには,一人の選手が複数のポジションをこなせる必要があり,
同じレベルの選手であれば,ポリバレント性の高い選手を重視する,と。
ハイブリッド6,根っこはヒディンクと同じ考え方なのかもしれません。(期待も込めて)

サッカーの戦術でいえば,
ワールドカップ優勝のドイツ代表,CL優勝のバイエルン・ミュンヘンに見られるように,
ポゼッション(※2)が重要な戦術であることは間違いないわけですが,
それでも,ポゼッションが主流・お手本とされる時代は一区切りかな,と思います。

ポゼッションを志向しないアトレチコ・マドリード(※3)のリーガエスパニョーラ優勝。

香川真司のいた頃にブンデスリーガ優勝も果たしたドルトムントは,ゲーゲンプレッシング(※4)。
ざっくり言えば,ハイプレスとショートカウンター。
これもポゼッションとは考え方を異にする戦術です。
日本では,湘南ベルマーレもゲーゲンプレッシング風のショートカウンターで,ただいまJ2で首位独走中。

守備重視のカウンター狙いも一つの戦術。

というか,そもそもサッカーやバスケのようなスポーツは,攻撃と守備を分けて考えることができない。
目標はゴールをあげて勝つことで,そのために,ピッチ上のどこに何の比重をかけているかという程度。
そこには,パーソネルが考慮されながら,チーム哲学や,監督の見方・考え方が反映されており,
すべてのチームが主流とされる戦術一色に塗りつぶされるのではなく,各チームさまざまな魅力を放っている。
スポーツファンにとっては,この上なく楽しい状況です。

この度,サッカー日本代表の監督に就任したアギーレ監督。
堅守速攻派らしいですが,目指すところはポゼッションとのこと。
ざっくりいえばバイエルン・ミュンヘンみたいな戦い方を目指すということでしょうか。
女子バレーボールに引き続き,目の醒めるような楽しいゲームを見せてもらいたい,と思っています。

#93

(※1)戦術的交替(↓とてもいいコラム)
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2013/11/05/post_498/index.php

(※2)ポゼッション

絶不調リバプールで気がかりな点は…。マンUに敗戦、今の姿は絶不調に陥ったドルトムント時代に似てきた【分析コラム】

(※3)ポゼッションを志向しないアトレチコ・マドリード

ユニット論で見る、アトレティコ強さの秘密

(※4)ゲーゲンプレッシング

絶不調リバプールで気がかりな点は…。マンUに敗戦、今の姿は絶不調に陥ったドルトムント時代に似てきた【分析コラム】

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