志怪
最近「地獄先生ぬ~べ~」の新作アニメが放送されているそうです。子どものころ大好きだった作品なので見てみたいな~と思いつつ、初回を見逃しました。
今日書くのは、おくらが、悪い妖怪から生徒たちを守る「ぬ~べ~」にあこがれて、中学校で教鞭をとっていたころ、本当にあった話です。
当時、視聴覚室の掃除監督を担当していました。視聴覚室は暗くしてスクリーンに映像を流すため、遮光性の高い黒いカーテンがかけられており、電気を消すと真っ暗になりました。
ある日、掃除時間に視聴覚室を開錠しにいくと、すでに当番の女子生徒たちが集まっていました。「先生おそい!」と怒られながら扉をあけると、その瞬間にぎやかだった女子生徒たちが一瞬で静まり、「白い女の人がおる…」といって散り散りに逃げ出してしまいました。
実はそのとき、自分も見えていたんです。暗い部屋の奥にうっすら白いもやもやしたものが。(今も昔も光の残像だと思っています。)
なんだかんだ、逃げ出した女子生徒(と遊んでいた男子生徒たち)を呼び戻し、掃除を終わらせました。
最後に忘れ物や施錠の確認をしていると、男子生徒たちが悪ふざけを始めました。教師である自分一人を室内に残して電気のスイッチを消し、外から扉を押さえてまっ暗の闇に閉じ込めるのです。「もうええから開けろ~、お前らおれが行かんと終礼でけへんで~」という先生。そのとき…
足首を掴まれたんですよ。
「ぎいやあああああ!!」って叫びました。ええ大人が。
なんと、いたずらメンバーの中のちっちゃい生徒が一人、視聴覚室内に隠れていたのです。
あれは心臓飛び出るほどビビった。
しばらく生徒たちから笑われましたが、今となったらいい思い出です。
後日、女子生徒たちに「あの時ほんとうに女の人見たの?」と聞いてみましたが、はぐらかされてしまいました。
もしかして、女子生徒たちも自分をビビらせる伏線はってたんだろうか。もしそうなら見事な連携プレーだ…と今さらゾっとしつつも、やっぱり暑い今日このごろです。