Bitter Sweet Symphony

僕が高校生のころ,関西テレビ系列(?)でやっていたと思われる「Rock the Roots」なるテレビ番組が深夜に静岡でも再放送されていました。

この番組というのが,笑っちゃうくらいにチープなつくりで,番組唯一の出演者であるコメンテーターのキャプテン和田(この人は特にハードロックやヘビーメタル界隈に有名な評論家)が,きれいではない長い髪を振り乱し,どこかの小さな会議室でロックについて熱く語る…という,NHK高校講座も顔負けのものでした。

さらに,この番組最大の売りである,キャプテン和田おすすめのドーナツ盤の紹介コーナーが独特でしたね。こともあろうに,それはキャプテンの手元にある小さな携帯用レコードデッキでの再生によっていました。なんという時代に抵抗したアナログ嗜好でしょう。しかし背をかがめて息を止めつつ,レコードに針を落とすキャプテンの姿を,ブラウン管越しに固唾を飲んで見守る全国のロック好きは,最初の音が鳴る瞬間にカタルシスを感じたに違いない…,と前置きはこのくらいにして,なにを書くのかというと,これまでうん千曲と聴いてきた中から,僕にとって特別な一曲を紹介したいと思います。

THE VERVEの“Bitter Sweet Symphony”

このバンドのボーカル,Richard Ashcroftが好きすぎて,高校生のころの自室には,彼のポスターが所狭しと貼られまくっておりました。そのあまりの量から,かたい表情をした母に,ある日「まさかとは思うけど…そうなのかしらね…」と尋ねられたほどです。

それはさておき,「人生,それは歓喜と悲哀の交響曲である」と始まるこの曲は何回聴いたかわかりません。高校生のときから,いつかライブに行ってやるぞと思っていたのですが,僕がひとりでライブに行ける頃には,すでにバンドは解散しており…Richardに直接会うことはもうないのかとあきらめていたところ,何と20年ぶりにソロライブを行うというアナウンスがあるではありませんか!それも大阪でも公演があるという!!!
はい,迷うことなく行きました。
ライブの最後,Bitter Sweet Symphonyを熱唱しているRichardとともに,いい歳したおっさんも歌いながら泣いちゃっていましたね。

Lady_stardust

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