生き字引

今年の秋は甘柿も渋柿も豊作でした。

脚立にのぼって低い枝の渋柿の実を少しずつとっていると、
一緒の畑で野菜をつくっているレジェンドおっちゃん82歳が、
近くに生えている竹で柿とり棒をこしらえ、上のほうの柿をどんどんどってくれました。

こんなもん子どものときからやっとったからなぁと。

レジェンドは、鍬の刃が外れたときも木片をかませて上手に修理してくれたり、
野菜の植えるタイミングや、やる肥料などアドバイスをくれたり、草ひきを手伝ってくれたり、
畑では一番ぺーぺーの私の世話をなにかと焼いてくれます。

レジェンドの柿とり棒をつかい、たくさん渋柿を収穫して、
親戚、ご近所、友人に千個ほど配り、家で六百個近く干し柿をつくりました。

こんなにとれたことはこれまでになく、
今年熊が多かったのは、もしかしたら柿の豊作も一因なのか…

干し柿のつくりかたは母から教わり、
六百個もつくったからきっと来年も覚えてます。

畑や柿のほかにも、蕨や筍、慈姑のあく抜き、切干大根、梅酒、漬物、
これまでひとつも興味のなかった田舎の仕事いろいろ、四十半ばにしてやっと学びはじめました。
きっとAIに聞いてもわからないような、細かいコツや秘伝や独自性があり、結構楽しい。

できるだけ多くのことを受け継いで、いつか次世代に引き継げたらとおもいます。

しょ

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